「自由だなぁ」
思わず口元が緩んでしまう。
寺田本家の看板 “五人娘純米酒” の無濾過生原酒「自然のまんま」。
生もと仕込みで、割水や火入れなどの手を加えず、その名のとおり自然のまんまな日本酒。
私は寺田本家の日本酒を飲むと嬉しくなる。
自由で、個性的で、生命力に満ちたエネルギーを感じるから。
誰にも媚びず、「私は私のままでいい」とでも言いたげな、凛としたパワーを感じるから。
そしてそれでいて、品もある。
いつも飲んでいる上品で安心感のある速醸日本酒を想像して飲むと、一瞬驚くかもしれません。
案の定、夫は一口飲んで、「なんだこれは!?」と予想外の味にショックを受けていました。
そんな様子に、ほろ酔い気分の私は、「自由だなぁ」と、また口元がゆるむ。
あぁ、あっぱれ。
お供には、同じく寺田本家の奈良漬。
この奈良漬も、生酛仕込みの酒粕と天然の海塩、粗製糖だけで作られたもの。
丁寧に、時間をかけて、ゆっくり発酵させた深い味わい。
奈良漬好きなんです。
ポリポリという、あの歯応えも身体が喜んでいる感じ。
お酒のつまみにも、ご飯のお供にも、どちらもいけますね。
こんなささやかな時間が、なんて幸せなんだろうと思います。
私が生酛造りの日本酒に深く魅了されるようになった、原点ともいえる酒蔵さんです。
この蔵の酒造りは、江戸時代から続く伝統的な生酛仕込み。無農薬・無添加にこだわり、本来「酒は百薬の長」と呼ばれていた時代の、自然と寄り添う製法を今に受け継いでいます。
生酛という言葉に初めて惹かれた私が手に取ったのは、寺田本家23代目・寺田啓佐さんの著書『発酵道』でした。
当時、心の奥でぼんやりと抱えていた問いや不安。その答えが、この本の中にはすべて書かれていました。
「あぁ、そうだったんだ。私が聞きたかったのは、これだったんだ。」
ページをめくりながら、深く感動したのを今でも覚えています。
あれから時が経ち、今、私はこうしてこのブログを書いています。
こ興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
人生がシンプルになるかもしれません。
発酵道 酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方 [ 寺田 啓佐 ] 価格:1,650円(税込、送料無料) (2025/6/5時点) |